企画営業
公開日: 2018-01-29
伝わらなかったのはデザインが原因?今日から使える企画書ブラッシュアップのポイント
企画書は、すべての仕事の始まりです。日々の販促企画だけではなく、世の中を席巻している企業やプロジェクトもすべて、企画書からスタートしています。そして、これらプロジェクトの結果を大いに左右するのが、企画書の内容と見栄えといえるでしょう。
どんなにすばらしい企画を考えても、思い通りに伝わらなかったらそのアイデアが世に出ることはありません。今回は、あなたの思いを伝わりやすくする企画書を作成するポイントを考えてみます。
基本は1つのスライドに1つのメッセージ
企画書をブラッシュアップさせる基本として、1つのスライドには1つのメッセージ、という原則が挙げられます。そして、メッセージにひもづくビジュアルやグラフなども、基本的には1つです。その理由を挙げてみましょう。
聞き手は常に忙しい
多くの場合、企画書の内容の受け手はとても忙しく、あなたが言いたいことを、簡潔かつ明瞭に表現してほしいと考えています。特に組織における地位が上の人ほど、冗長な説明を嫌う傾向にあります。非常に限られた時間で、相手の心を動かすためには、簡潔にまとめられたメッセージが必要です。
メッセージ=結論
スライドに書かれるメッセージは、そのスライドにおける結論です。結論というものは、通常1つです。結論が2つ以上になるのは、自分の考えがぶれていることを意味します。
主役はあなた自身
スライドを使用したプレゼンテーションを行う場合、Microsoft OfficeのPowerPointを使用する場合が多いと思います。その際、聞き手が見るべき対象は、スライドではなく、あなた自身なのです。簡潔なスライドで結論を明示したら、その後はあなたが聴衆の注目を集めて、説明をするべきなのです。あなたが「主」でスライドは、「従」の関係です。
世界的な講演会の主催団体であるTEDが開催するプレゼンテーションの大会『TED Conference』におけるプレゼンテーションのスライドを見ても、この方式を採用している登壇者は多いことが分かります。このカンファレンスでは、政治やビジネス、科学などの各分野で世界的に活躍をしている人物が登壇をして、プレゼンテーションを行います。簡潔にメッセージを伝え、聴衆の心を動かすという点で、参考になるポイントが非常に多いです。企画書のスライドでは、そのページで言いたいことは何か、そしてそれを裏付けるデータもしくは、象徴的に表しているデザインやビジュアルは何かを吟味して、ひもづけることが重要です。
紙芝居の構成を意識する
前述の「1スライド、1メッセージ」の原則は、企画書全体を構成する各ページについてのお話。では、全体的な構成についてはどのように考えればよいのでしょうか。
多くの場合、企画書は、複数のページで全体が構成されます。そのため、映画やドラマの展開のように、導入部分から終わりにかけて流れを作り、聞き手に印象を残すことが重要です。
では、具体的にどのようにして、印象に残る構成を作ればよいのでしょうか。それには、昭和の日本で日常的な光景であった紙芝居が参考になります。デジタル技術が普及するはるか前から存在していた紙芝居ですが、興味深いことに、「1スライド、1メッセージ」というスライド作成の原則とその構成は、共通しています。では、その紙芝居の構成をひも解きながら、スライド作成のポイントを考えてみます。
状況の説明(現状分析~課題の提示)
多くの場合、紙芝居は、「むかし、むかしあるところに……」というくだりで始まります。そして、その後には、登場人物の抱える困りごとの説明に続きます。これは、現状分析から、課題の提示という企画書で必要となる要素と同じです。
ワクワクする展開(戦略と戦術)
紙芝居には、必ずといっていいほど、多少のサプライズがあります。主人公は、困難に立ち向かう際に、さまざまな戦略と戦術を駆使して、課題を解決していきます。この部分に聞き手はひきこまれ、話に夢中になります。逆に、この部分がつまらないと、聞き手の心は離れていきます。企画書で肝となる戦略を元にした具体的な戦術部分では、「それを聞いてワクワクするのか」という視点が重要となります。
明るい未来(実行後の状況説明)
紙芝居の最後では、主人公や周囲の人間のその後の姿が説明されます。敵に勇敢に立ち向かった主人公が、どうなるのか。つまり、企画の実行を決断して実行した結果、どのような未来がもたらされるのかを説明するのです。これは、ビジネスにおいても、相手に期待感を持たせる点で大変参考になるポイントです。「この企画を実施したら、どうなるのか」。この点を相手に印象付けられれば、勝利は目の前です。
デザインの宝庫! スライドシェアで企画書をブラッシュアップ!
他人の作った企画書を参考にしたいという人には、スライドシェアがおすすめです。国内外の優れたプレゼンテーションの資料がそのまま掲載されているため、自分が目指す完成系やトーンが近いものが見つかるはずです。またさまざまな「見せ方」を参考にすることで、自分の企画書作成における引き出しが増えることも、スライドシェアの魅力です。企画書の目的や伝えたい相手、さらには相手の嗜好などによっても、作るべきデザインは変わってきます。何度も作っているうちに、伝えたいことを最大限に伝えることができる企画書を作れるようになってくるはずです。
あなたの周囲にいる企画書作成の達人も、最初から上手に作成できていたわけではありません。今回お伝えしたのは、あくまでコツです。自身で何度も何度も作成し、悩み、そしてほかの人の企画書だけではなく、映画やドラマなど、身の回りにあるさまざまな要素からヒントを得て企画書を作成してみてください。続けていくうちに、自分なりのスタイルを作り上げていくことが、必ずできるようになってきます。