販売促進ノウハウ
公開日: 2018-07-02
「地域No.1」を目指そう!秀逸なエリアマーケティング事例
すべての人に同じニーズがあるわけではないので、マーケティング活動では特定の切り口でユーザーをセグメント別に分けることが重要です。その切り口のひとつに「地域」があります。地域の特性に基いてマーケティング施策を展開していくのが、「エリアマーケティング」とよばれる手法です。
すべての地域に同一の施策を展開するマス的なアプローチだけでは、地域の特性に対応できず、多額の費用をつぎ込みながらニーズとずれた施策を実施することになりかねません。そのため、地域によって異なるニーズに対応していくエリアマーケティングが重要となるのです。ここでは、エリアマーケティング施策の特徴と、参考にするべき秀逸な事例を説明していきます。
エリアマーケティングで差がつく地域対応力
エリアマーケティングとは、地域に関する情報に基づいて、狙うべき地域を明確化し、各地域の市場特性に合わせて、最適なマーケティング施策を組み合わせていく活動です。
エリアマーケティングを実践するメリットは、どのエリアに集中して営業・プロモーションをすれば良いかがわかることです。また、販促に注力する地域を決めることは、取り組まない地域を決めることでもあるので、その分の費用を削減できます。エリアマーケティングは、マーケティングの費用対効果を高める手法ともいえるでしょう。
特に、ハウスメーカーやサービス業など、どこに家を建てるか、どこに店舗を出店するかといった、地域によって集客が大きく変わってくる業界には、必須のマーケティング手法といえます。
エリアマーケティング施策の立案のポイント
まずは、商圏分析を通じて、「地域の人口動態の把握」、「競合店舗の状況」、「顧客の特性」といった情報を集めましょう。集めた情報に基づき、移動性(徒歩、車○○分)、ライフスタイル(世帯年齢、性別)などの視点から、重点エリアを設定します。地域情報の収集からターゲッティングまでがエリアマーケティングのポイントとなるので時間をかけて調査・検討していきましょう。
そして、ターゲッティングエリアに対して、出店計画や営業計画、プロモーション計画を立案していきます。地域調査で得たターゲット像からずれないように計画していくことが必須です。
これで分かる!エリアマーケティング事例
エリアマーケティングで成果を挙げた2つの事例を紹介しましょう。調査によって得た地域特有のニーズをもとに、広告の最適化やターゲット変更を通して成果を挙げています。エリアマーケティングのメリットを活かした秀逸な取り組みです。
地域事情を把握して広告を最適化「カーセブン」
中古車の小売と買取のFCチェーンを全国で100店舗以上運営している「カーセブン」。同社は、地域の顧客分析を通じて、新聞折込広告やポスティングの効率的な配布エリアを選定しています。例えばミニバンであればファミリー層の多いエリア、コンパクトカーであれば若い女性の多いエリアなど、売り込みたい車種のターゲットに応じて広告内容を最適化しています。
このように地域によって求められる商品が異なるケースは珍しくありません。例えば、若い女性が多いエリアに多人数乗車のミニバンを広告しても、その効果は半減してしまうでしょう。地域によって異なるニーズを把握することが、いかに重要かが分かる事例です。
ターゲットを変更して利回り12%を実現「ベルエステート」
賃貸を管理している「ベルエステート」では、あるマンションの空き室対策を検討していました。周辺地域を調査することで、それまでターゲットにしていたファミリー層ではなく、単身者や子どもがいない夫婦層に需要があることが判明。そこで、ターゲット層を変更し、マンションのリノベーションを実施。これにより利回り12%を実現する大きな成果を挙げたそうです。
ベルエステートの事例に限らず、住宅や小売店舗は周辺地域の顧客像を明確化することが重要です。特に、出店する場合は多額の費用がかかるため、失敗は許されません。ベルエステートの事例のように、顧客像が明確化することで商品の売り出し方も検討しやすくなるのです。
エリアマーケティングに取り組んでいこう
地域の状況を知ることで、その地域に最適な営業・プロモーション計画を立案することができます。出店の必要があるサービス業や、地域によってニーズが大きく異なる住宅メーカーには、エリアマーケティングは必須といえるでしょう。これからマーケティング施策を立案する際は、「地域」も切り口のひとつとして検討してみてください。