「〇〇に行きたい!」「〇〇が欲しい!」など、子供の要望が、そのママとパパに行動を起こさせるケースが多くあります。そのため、子供向けのプロモーションは、重要かつ効果的な集客施策といっていいでしょう。
子供向けプロモーションは、店舗や販売イベントへの来場を促すための集客フックという目的と、一度購入または体験してもらった後に、商品・サービスをまた購入してもらうための、リピート集客という目的があります。その時の目的にあわせて、施策を検討していく必要があるのです。
いずれにせよ大切なのは、子供の目線にたって施策を考えることです。子供は好奇心の固まり。しかし、一方で、飽きっぽくてすぐに目移りしてしまいます。そして、正直なので、つまらないものはつまらないとはっきり意思表示します。そういった意味では、大人よりも難しいターゲットといえます。
ここでは、そんな子供たちに興味を持ってももらうためのプロモーションのコツを、「集客フック」と「リピート集客」という目的ごとに解説していきます。
子供向けのプロモーションを行ううえで大切なのは、まず興味を持ってもらうこと。よく、金魚すくいやヒーローショーなどのイベントをお店の前で展開しているのを見かけますが、これは集客のために子供向けにプロモーションを行っている例です。
このようなイベントは、子供の好奇心を駆り立てるため、子供のプロモーションにピッタリの手法といえるでしょう。そこで、子供向けイベントでおすすめしたいのが、親も参加できる体験型のイベントです。子供は親が大好きなので、親と一緒に参加できるイベントなら、興味をより引き立てるでしょう。親子の思い出づくりにもなります。
例えば、手作り教室はいかがでしょうか。手作りするものは、子供の興味が湧くものなら何でもOKです。一緒に、お菓子を作ったり、折り紙教室を開いたり、さまざまなワークショップが考えられるでしょう。親と一緒に作るので、少々難しいものでも対応できます。
このようなワークショップは、作ったものが形に残るため、イベントが終わって持ち帰ってもらうことができます。自分が作ったものを目にするたびに、イベントを思い出してもらえるでしょう。また、自分で作ったものは、捨てられにくいというメリットもあります。
また、子供の知育は、親にとっても興味のあるテーマ。例えば、消防士やケーキ屋さんなど、子供のなりたい職業を疑似体験できるお仕事体験は人気のあるイベントです。お仕事体験を通じて、夢や責任を育む知育イベントといえます。そのほか、英語や書道など人気のある習い事をイベントにするというアイデアもあります。体を動かすことが好きな子にはスポーツイベントもいいでしょう。
しかし、注意いただきたいのは、子供と一口にいっても、3歳と10歳ではできることが大きく違います。何歳ぐらいの子供にアプローチするのかをしっかり検討するべきでしょう。最終的なターゲットである、ママとパパの年齢層から逆算して、子供の年齢を推測するのも一つのやり方です。
最近では、デジタルの発達に伴って、VRを使ったイベントも登場しています。VRとは、バーチャルリアリティの略で、特殊な機器を用いて仮想空間を体験できる最新技術です。
スウェーデンのマクドナルドで、VRを使った子供向けプロモーションが実施されました。商品をモチーフにしたVR視聴用ゴーグルをつけると、楽しいキャラクターが満載の仮想スキー場が登場。その仮想空間で、子供たちにスキーをしてもらう仕掛けとなっています。2週間限定の取り組みながら、約3,500個も販売をしたそうです。
このような最新技術を活用すれば、自社商品を仮想空間で楽しむなど擬似的なブランド体験をしてもらうこともできます。住宅メーカーでいえば、家をモチーフにした仮想空間、自動車メーカーでいえば、その場で疑似ドライブ、など、さまざまな取り組みが考えられる技術といえるでしょう。
子供は、好奇心があるので、すぐに興味を持ってもらえる反面、飽きっぽくてすぐに忘れてしまうものです。そのため、自社の商品・サービスを思い出してもらうための仕組みを導入して、リピート集客を図りましょう。
スタンダードな方法ですが、子供の好きなおもちゃを持って帰ってもらうのは、良い施策です。お家に帰っても遊べるので、思い出してもらえる可能性も高くなります。そして、子供の「また行きたい!」を引き出すことができるでしょう。
もう一つおすすめしたいのが、アプリを利用したプロモーションです。子供が楽しめるゲームアプリ等を用意することで、自宅でも遊んでもらうことができます。つまり、来店していない時にも、商品・サービスの刷り込みをすることができるのです。オリジナルアプリの開発は、以前より費用が安くなっているので、検討してみてはいかがでしょうか。
集客にあたって重要なのは、集客する場所が子供にとって過ごしやすい空間となっていることです。集客人数に対してあまりにもスペースが狭いと、走り回ったりしがちな子供たちには危険で、親の足は遠のいてしまうでしょう。商談が長時間となるなら、キッズコーナーも用意したいところです。安心できて、過ごしやすい空間づくりが、次の集客を促します。
子供の満足度を高めていくと同時に、そのママにもしっかりアプローチすることで、プロモーションの効果はさらに上がるでしょう。アプローチの方法としては、ノベルティの配布がおすすめ。子供向けにイベントを実施すれば、ママにも接触できるので、ノベルティを配布しやすいでしょう。イベントが終わった後も手元に残るので、ノベルティを利用する際に、企業のことを思い出してもらえます。
ノベルティは、日常的に利用できる実用品なら、企業を思い出してもらえる頻度も上がります。例えば、イベントが終わった後に、子供の手を拭くことができるウェットティッシュはいかがでしょうか。子供がいる家庭は、洗濯物も多くなるので、洗剤もいいでしょう。持ち帰ってもらうので、あまりかさばらない持ち運びしやすいものを選定することがポイントです。
子供のころに体験したことは、大人になっても覚えているものです。その意味では、子供向けプロモーションは、直近の販売促進が優先の目的ですが、長い目でみれば、将来のお客さまをつくることにもなるのではないでしょうか。また、ママにもしっかりアプローチすることで、親子で自社のファンになってくれる可能性があります。そのようなファンの人たちは、企業にとってかけがえのない財産といえるでしょう。