キャンペーンの実施やイベントの開催など、企業の告知に役立つDM。インターネットの技術を活用したオンラインマーケティングが主流の時代とはいえ、ターゲットの手元に告知物を届けられる郵送のDMが持つ価値は薄れていません。
マーケティング戦術を考えるうえで、オンラインマーケティングを外すことは今ではあり得ませんが、それでも万能ではありません。オンラインではどうしてもメッセージを届けられない層が一定数存在することは事実。そのようなターゲットに対しては、やはり郵送のDMが効果を発揮します。
また、オンラインマーケティングとは異なり、実際に告知物が手元に届く郵送のDMでしか実現できないことがある点もポイントです。例えば、郵送DMなら、変形タイプの封筒を用いて独自性をアピールすることも可能です。また、圧着タイプのハガキで期待感を演出したり、装丁や印刷で高級感を持たせたりすることもできます。
郵送のDMはメールのように画一的なものではないので、DMの反応率を上げるためには、普段とは異なった工夫やアイデアが必要になります。また、デザインやコピーライティングなど、クリエイティブ面でのポイントもしっかりと押さえる必要があります。
ここでは、DMの開封率をアップさせ、捨てずに読んでもらうためのポイントを解説します。
DMを送っても、ターゲットが読まずに捨ててしまっては意味がありません。開封率を上げることは、DM活用で最も意識しなければならないポイントです。開封率アップの具体的な方法をご紹介します。
DMは多くの企業が発送していますので、そのなかに埋もれてしまっては意味がありません。ポストからDMを取り出したときに、印象を残すことが肝心です。
例えば、封筒の中に小物を同梱することで、封筒に厚みが出ます。手に取ったときの印象に差が出ますので、開封率アップにつながります。
具体的には、小さめの販促グッズを同梱したり、おみくじなど、企画色の強い小物を入れたりすることが効果的です。
また、封筒の中に企画色の強い小物を入れている場合、封筒の外面にその旨を表記します。視覚の情報と、手に取った感覚との両方で訴求することで、より印象が強くなり、開封率アップにつながります。
他のDMのなかに埋もれてしまわないための工夫として、定型の封筒を用いないというのもポイントです。あまり見かけない形状の封筒を使用することで、他のDMとの差別化につながり、目に止まりやすくなります。
具体的には、キャラクターや商品の形状をしたDMや、開封時に飛び出す仕様のDM、箱型DMなどがあげられるでしょう。アイデアひとつで、さまざまなこだわりを持ったDMを作ることができます。
反応率を上げるために重要なポイントは、捨てずに読んでもらうこと。次は手に取ったDMを捨てることなく、しっかり読んでもらうための具体的な方法をご紹介します。
セールスレターに代表されるセールスライティングには、基本的なテクニックがあります。ターゲットはDMを手にしたとき、「自分事」だと認識しなければ、すぐにそれを捨ててしまうことでしょう。そのため、セールスライティングにおいては、常にターゲットに「自分事」であるという意識を失わせないよう、ターゲット目線で文章を書くことが重要です。
ターゲットにメリットがあると感じさせるキャッチコピーはもちろんのこと、興味・関心を持続させ、本文へと誘導するリード文は、特に意識しなくてはなりません。リード文が読まれなければ、その先の本文が読まれることはないのです。また、小見出しを活用することで、読みやすい文章構成に配慮するのもセールスレターのポイント。DMを受け取ったすべての人がじっくりと読むわけではありません。時間がない場合やせっかちな人は、すべてを読まずに見出しだけを飛ばし読みして自分に関係のある内容かどうかを判断します。さらには、興味・関心から好奇心を持ち始めたターゲットの意識を、常に刺激するようなライティングを心がけることもポイントです。
DMを作る際に決して忘れてはならないことは、ターゲットに対してどういった行動を促すのかを明確にすることです。資料請求やお問い合わせ、イベント・セミナーへの参加など、ターゲットのアクションを意識して制作するといいでしょう。販促につなげるためのセールスライティングでは、読みやすい文章構成を意識することはもちろんのこと、読み手に「自分事」だと感じさせ、どういったアクションを促すDMなのかを明確に伝えるといったポイントを押さえることが重要です。
世の中には、さまざまなアイデアや工夫が盛り込まれた郵送 DMがあふれています。それはつまり、ただキャンペーンチラシを封筒に入れただけの単純なDMでは、効果が出にくいことを表しています。
ターゲットのDM反応率を上げるために、たくさんの手法を試してみましょう。そして、実施後には、しっかりと施策の効果検証を行うことが大切です。例えば、デザインをA案とB案の2パターン用意し、どちらのデザインの反応率が良かったかを判断するABテストなども、その一例です。
そして、検証結果をもとに、施策の改善を行います。そうすることで、DMの反応率を効果的に改善することができるでしょう。
ターゲットによって、効果を発揮する手法やアイデアは異なります。実施後の効果検証と改善のサイクルを継続し、販促の効果を最大化する最適な手法を導き出しましょう。