販促ツールは顧客にメッセージを伝える重要なアイテムですが、制作会社や自社デザイナーとのコミュニケーションに苦労する方も多いようです。実は、基本的な配色知識を身につけておくだけでも、顧客の心をつかむ制作ディレクションができるようになるものです。
ここでは、効果的な販促ツール制作に欠かせない配色のポイントを解説します。
色にはそれぞれイメージがあり、人の心理に影響を与えます。販促は、ターゲットの購買・参加意欲を掻き立てたり、企業の信頼性をアピールしたりと、さまざまな目的を持って行われるため、色選びが重要なポイントになります。
それぞれの色が持つイメージや役割は一般的には次のようになっています。
エネルギー溢れるイメージを持つ「赤」は、緊急性を持ったカラーでもあります。セール時の商品告知などに使用すると効果を発揮するカラーです。
シックな印象や力強いイメージを持つカラーである「黒」は、商品の高級感を演出するのに最適です。
ポップで若々しいイメージを持つ「黄」。「赤」と組み合わせれば、セール時の特別価格表記など、注目を集める配色ができます。
爽やかで信頼感を与える「青」は、企業の信頼性をアピールできるカラー。企業のメインカラーとして多用される配色です。
リラックスした印象を与える「緑」は安心感も与えてくれます。「青」と同様、企業のメインカラーとして多用されます。
落ち着いた印象や上品なイメージを演出できる「紫」。美容や和風テイストの商品イメージに使用される配色です。
配色の基本は、使うカラーを限定すること。メインカラー、ベースカラー、アクセントカラーの3色に限定することで、規則性のある色使いができます。それぞれの持つカラーの役割を見てみましょう。
デザインの主となるメインカラーは、ターゲットが好む色を選ぶのがポイント。また、商品や企業のイメージにつながる色でもありますので、競合他社を想起する色選びは控えるようにしましょう。
背景色など、デザインの広範囲を占めるのがベースカラー。注目させたい色の邪魔にならないよう、明度(色の明るさの度合)が高く、薄い色を選ぶのが効果的。目がチカチカする色や、激しい柄の使用は避けるようにしましょう。
デザイン全体の5%程度を占めるアクセントカラー。もっとも注目を集めたい部分に使用することで、メリハリの効いたデザインに仕上げることができます。価格表記や商品の魅力をアピールする部分に使用することで、もっとも伝えたいことを、的確に訴えかけることができます。 これらの3色を意識すれば、安定した配色でデザインできます。アイキャッチとして引き込む色や、しっかりと文字を読ませる色など、配色ルールに則ったデザインを心がけましょう。
販促ツールをデザインする際、インパクトを求めてついつい華やかに仕上げがちです。しかし、もっとも意識しなければならないポイントが可読性。つまりは、見やすさです。
見やすさを左右するのがコントラスト。見た目のメリハリとも言える要素です。文字の大きさや文字間を意識するだけでも可読性は高まりますが、配色のコントラストが何より重要です。
たとえば、背景色と対象になる色には、明度や色相(色あい・色調)に差をつけることがポイント。明度が似た色を組み合わせると、極端に文字が読みにくくなります。明度が高い色には、低い色を組み合わせるようにしましょう。
また、色相が隣り合っている色は相性が良く、配色しやすいのですが、背景と文字として組み合わせると、可読性が下がってしまいます。背景と文字の色選びでは、色相に差がある配色を意識しましょう。
色はイメージを左右するもの。顧客を目的のアクションに導くためにも、知っておいて損はない知識です。
販促担当者として持っていると有利な資格にも、色彩検定などのカラー系の資格があります。資格を取って販促スキルを確かなものにするために、『コレは押さえておきたい!販促担当者が持っていると有利な資格4選』の記事もチェックしてみてはいかがでしょうか。