販促活動における集客といえば、マス広告やイベントの出展など、大規模なプロモーションをイメージしがち。しかし、大きな予算をかけずとも、販促担当者がコツコツと独自で進められるものもあります。しかも、場合によってはそちらのほうが効果的なことも。具体的にはどのような施策があるのか、早速見てみましょう。
販促の定番手法とも言えるFAX-DM。単純な集客だけでなく、チラシの内容を変えることでセミナーへの集客、新商品の紹介、顧客の休眠化防止のコミュニケーションツールなど、さまざまな用途に使用できるのが特徴です。
FAX-DMの利点は、なんといってもコストが抑えられることにあります。発生する費用はチラシの制作費とFAXの通信費程度なので、巨額の予算を用意せずとも、販促担当者単位で手軽に実施できます。トライ&エラーを繰り返しても大きな損失が発生しないので、PDCAが回しやすいというメリットも見逃せません。
また、FAXを受け取った相手は、それを破棄するにしろ手元に残すにしろ、一度内容に目を通すことになります。そのため、狙ったターゲットに対してほぼ100%確実にリーチでき、レスポンス率が測りやすいのもメリットと言えるでしょう。
反対に、デメリットとしては送信先リストの作成やメンテナンスなどの手間がかかることがあげられます。FAX-DMを成功させるためには、商品やサービスに興味を持ってくれそうな、良質なターゲットの選定が欠かせません。また、FAXを送信したターゲットの中には、ダイレクトコミュニケーションを望まない人も一定数いるため、オプトアウトなどリストのメンテナンスが常時必要になります。
また、単発では効果が出にくいため、PDCAを回しながら何度もターゲットにアプローチするなど、効果が出るまでに時間がかかる点もデメリットのひとつです。
● 低額で実施できるのでPDCAが回しやすい
● 狙ったターゲット群に確実にリーチできる
● レスポンス率が明確に測れる
● 良質なリストを維持するため、常に整理が必要
● オプトアウトなどリストのメンテナンスの手間がかかる
● 単発ではなかなか効果が出にくい
ターゲットとなる顧客にとって有益な情報を、販促担当者の視点で提供していくビジネスブログ。読者を増やすことができれば自社のファンを増やすことにもつながり、顧客との長期的な関係育成に役立ちます。
ビジネスブログもFAX-DMと同様に大きなコストがかからないため、販促担当者個人でも実施しやすい施策です。また、Webマーケティングで使われるようなサイト分析ツールを活用すれば、ブログのPVや流入経路も把握しやすく、簡単に効果検証できるという点も注目すべきメリット。このサイト分析ツールは無料で提供されているものが数多くあるので、自分で検証する分にはコストがかからないのも嬉しいポイントと言えます。
その反面、効果を出すためには根気強くブログを書き続け、地道に読者を増やしていくという努力が必要になります。また、読者が興味を持ってくれるようなネタを集めたり、忙しい中でもできるだけ頻繁に更新したりするなど手間もかかるため、担当者個人ではなく、販促担当部署など何人かのチームで運営するといいかもしれません。
● 大きなコストがかからない
● サイト分析ツールを活用して、簡単に効果検証ができる
● 商品やサービスのブランディングにつながる
● すぐに結果が出るわけではないため、根気が必要
● コンテンツのネタ集めに苦労する
自社で顧客リストを所有していない場合は、他社が提供するメルマガに広告を出すという方法もあります。もちろん広告料は発生しますが、マス広告やイベントの出展といった大規模プロモーションと比べるとコストは抑えられるため手軽に実施でき、さらに拡散力も期待できる施策です。
メルマガはすでに読者がセグメントされているので、自社の製品やサービスに合わせたターゲットにリーチしやすいという特徴があります。顧客リストを用意したりメンテナンスしたりする手間もなく、原稿を用意するだけで実施できる手軽さも大きな魅力と言えるでしょう。
また、ダウンロードコンテンツなどメルマガから自社サイトにアクセスするような仕組みを用意しておけば、そこから顧客情報を取得するといった使い方もできます。
デメリットとしては、あくまで他社のメルマガに掲載するため、自社でコントロールできない領域が発生する可能性があります。例えば、メルマガによっては広告内容や文字数などに制限があり、自由な広告表現ができないケースも少なくありません。また、メール配信のタイミングはメルマガの運営企業によって決められるため、内容によってはタイムリーな広告配信ができない場合もあります。
● すでにセグメントされたターゲットにリーチできる
● 原稿を用意するだけなので手軽に実行できる
● ダウンロードコンテンツを用意しておけば顧客リストに追加できる
● メルマガ運営者との交渉が必要な場合もある
● 配信のタイミングを自分で調整できない
● 記載内容に制限がある場合がある
今回ご紹介した販促施策は、マス広告やイベントなど大規模プロモーションに比べるとインパクトこそ劣りますが、販促担当者が独自に実施できる気軽さと、安価なため効果検証が簡単に行えるというメリットがあります。まずは問い合わせ件数を増やすことを目標に、販促担当者個人でもできる施策を、実践してみてはいかがでしょうか。