Webからリアル店舗へ誘導するO2Oプロモーションが注目されていますが、大掛かりな施策は人員、コストなどの資源の負担が大きく実施に不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
そんな方には、シンプルで導入しやすいLINEを利用した来店促進プロモーションをおすすめします。LINEは友人同士のコミュニケーションツールとしてすっかり定着していますが、最近では企業とユーザーをつなぐ、ビジネスコミュニケーションツールとしても利用されるケースが増えているのです。
LINEは情報を発信する企業にとっても、それを受け取るユーザーにとっても、シンプルに使えるのが特徴です。企業からユーザーにプロモーションする場合、友達登録をしてくれたユーザーにアプローチをしますが、ユーザーの友達登録の方法は「QRコードの読み取り」「LINE IDを設定して登録」など、通常の友達登録と一緒。そのため物理的にも心理的にもハードルが低くなり、友達登録が集まりやすいといえます。
また、メルマガなどはある程度まとまった文章を送る必要がありますが、LINEはチャットに近いので形式ばった言い方をする必要がなく、短くストレートにメッセージを伝えられるというメリットがあります。実際に、一般的なメルマガの開封率は10%前後といわれますが、LINEの場合の開封率は60%以上といわれているそうです。「友達」のメッセージは読んでいただけるということですね!
どんなに導入しやすくても、一定のユーザーにアプローチができなければプロモーションは機能しません。その点、LINEはユーザー数の多さも特徴の1つです。
LINEアプリのインストールユーザーは2015年6月現在、日本国内のみで5800万人を超えるといわれています。これだけのユーザーがいるのなら、ビジネスに活用しない手はないといえます。
LINEでプロモーションする手段を大別すると、2016年8月現在では「LINE公式アカウント」と「LINE@」がありますが、ここではとりあえず試してみたいという方むけに、比較的費用負担の少ないながらも基本的なプロモーション機能が備わっているLINE@についてご紹介します。ただし、LINE@は集客を目的としたプロモーション手法となるため、実店舗などの集客拠点を持っている企業向けなのでご注意ください。
プロモーションの基本フローは①来店時に友達登録をしてもらい、②LINEによるアプローチを実施して、③再来店や購買を促進させる、という流れになります。つまり、友達登録をしてくれる見込み客に対して、LINEでメッセージ等のアプローチを行うことで徐々にロイヤリティを高めていくのが基本です。
LINEのプロモーションというと、飲食店や美容院を思い出す方も多いと思いますが、「徐々にロイヤリティを高めていく」という点に着目すると、購買に至るまでの検討時間が長い商品、つまり住宅や車等の高額商品にもマッチしているプロモーション手法といえるでしょう。
「LINE公式アカウント」ではなく「LINE@」でもユーザーにアプローチするための機能は充実しています。メッセージ投稿を中心に、自社の状況に応じて使い分けていくことができます。主な機能は下記の通りとなります。
① メッセージ投稿:LINE@の管理画面から、テキストや画像を用いたメッセージを配信。
② お店トーク:LINE上で直接やり取りができる。電話やメールをせずとも、リアルタイムで予約や在庫確認などのやり取りが行える。
③ PRページ:メッセージでは書ききれない情報の投稿。クーポンを作成して配布したい際には、PRページを作成してアプローチすることができる。
④ お店ページ:スマートフォン用のお店サイトを作成することができる。
⑤ リサーチページ機能:ユーザーに対してアンケート形式のメッセージを送る機能。メルマガなどのアンケートよりも高い回答率があったケースもある。
注意したいのは、LINEは見込み客を顧客に変えることに効果を発揮するという点。新たに見込み客を獲得したいときは、LINEではなく別の施策を組み合わせて実施していくほうが有効な場合もあります。
住宅のような高額商品でも、LINEが効果的であることを示す事例をご紹介します。ご紹介する企業は、東京・中部・関西・福岡の14拠点で注文住宅の事業を展開する企業です。
SEO施策に力をいれてサイトに誘導しても資料請求や問い合わせ等の行動を起こしてもらえない、というのが課題だったそうでLINEの導入の検討をはじめました。住宅業界では事例がなく半信半疑ながらも「まずはやってみよう!」という思いで導入に踏み切ったそうです。
その活用方法は、週に1度のメッセージ配信をルールに、施工事例やイベント情報をユーザーへ向けて配信するというとてもシンプルなもの。友達登録してくれるユーザーは、Webサイトの訪問者が中心です。
気になる効果ですが、同社によると「毎回メッセージ内のリンクのクリック率(CTR)が平均30%前後という効果が出ております。最近では1配信で20件程度のCV(資料請求や来場予約)が出ており、月に少なくとも100件の反響を獲得できています」とのこと。
もちろん、飽きさせないメッセージのための工夫、友達登録をしてもらいやすいWebサイト内の動線など、さまざまな工夫をこちらの企業は実施しています。それにしても、「これまで取りこぼしていたであろう見込みのお客さまからの反響をこれだけ取れるとは驚きました」。というように、LINEを利用することで見込み客を徐々に顧客化していることがうかがえます。
この事例のようにメッセージを中心にプロモーションを組み立てるシンプルな方法で、購買へのステップを確実に登らせることができることがわかります。
Webからリアル店舗へとお客さまに足を運んでもらうO2O施策は、それだけお客さまとのつながりが重要となります。だからこそ「お客さまと友達感覚でつながれる」LINEをぜひ貴社のO2Oプロモーションに活用してみてはいかがでしょうか。